たぶん僕のことをうちのスタッフの大半は、「なんだかよくわからない面倒臭そうなオッサン」と思っています。面倒そうだから、スタッフの間ではこのオッサンに話しかけられても適当に話しを合わせておくのがデフォルトです。たまに珍しくスタッフから僕に話しかけてきたと思えば「このカメラ、中古カメラ屋で見つけたんですけど、知ってますか?」って、人のことを歩くフィルムカメラ辞典とでも思っているかのような扱いです。
ところで、もう十数年前のことですが、スタジオを中途半端に辞めていった元スタッフとの会話で、今でも何か強く印象に残っていることがあります。それは、彼がスタジオを辞めて2,3年後。偶然、思いがけない形で会った彼は、撮影とは関係の無い仕事の最中でした。僕を見つけた彼は、恥ずかしそうな、情けないような、でも今更どうしようもないような、複雑な照れ笑いを浮かべながら、小さな声で僕に言いました。「いやー、結局自分には無理でしたー。」と。
自分でもよくわかりません。なぜ、この時の彼の言葉が自分に強い印象を残すのかを。ただ、その時から、何かもっと現役のスタジオスタッフに積極的に働きかけるべきことがあるんじゃないかと思うようになりました。そして、人に働きかける以上は自信を持って「自分はこう考えている」と言えるような確信めいたものが自分の中に必要でした。下の文は、そう望み考えていた頃、ある日突然上のほうから降ってきた言葉です。
『ここから これから こころから』
創めよう。
この社会の中で夢や理想を追い求めることが、
自分自身を魅力的にし、自分以外の人に感動を与え、
それはやがて社会の中で大きなうねりとなっていくから。
続けよう。
今、想像出来る事物事象の殻を突き破り、
遥かに超越した何かを得るべく全力で。
いつか、天を突き抜けた先にある、
大きな自分を体現できる日が来るまで。
笑っていこう。
自分自身が人生を楽しめば、
自分の人生は楽しいものであり、
明るい未来へと繋がる道は、
自分自身があると信じさえすれば自分の目の前にあるのだから。
何だかよくわからない、お節介なオッサンには信念があるのだ。覚悟しろ、外苑のスタッフども!!