スタッフのKちゃんから、「たまには、ほっこりした話を」とリクエストされました。お腹はぽっこりしている僕ですが、ほっこり話は難しそうです。
でも、クリスマスイブの夜を外界から閉ざされた部屋の中で一人過ごそうと考えている男子は、以前の記事をどうぞ。
ところで、ほっこりではありませんが、今朝の新聞のコラム欄に書かれていた言葉が、とても深かったので、ご紹介させてください。
『…揺るぎない意志を持ち、痛みを知っているせいか他者への優しさも失わない。彼から届くメールの末尾にはいつもこうある。「未来は我々の先にではなく、我々の内にある」…』(2016年12月22日・日本経済新聞“交遊抄”より抜粋)
このメールの末尾の言葉がカッコいいです。
未来を先のことと考えてしまえば、後延ばしにする言い訳の入る余地ができてしまいます。でも、未来が自分の内にあるのなら、今から自分が動かなければ、未来は何も変わりませんし、自分を取り巻く環境が良い方向に動き出すこともありません。
自分に言い訳を許さず、すべては自分次第という考えそれ自体こそが未来を変えていく。常に自分のモットーとしておきたい言葉です。
それはそうと、これまたほっこりはしませんが、以前、新潮社さんの企画で「村上さんのところ」という公開期間限定のサイトがありました。質問者のクエスチョンに作家の村上春樹さんが答えるというものです。
その数々のやり取りの中で、「感受性をどのように磨くべきか」と問われた村上さんの答えが、作家・小説家に限らず表現をする者に広く言えることだと思い、思わずコピペってしまいました。
『(省略)~ひとつだけ言えるのは、気持ちよく生きて、美しいものだけを見ていても、感受性は身につかないということです。世界は痛みで満ちていますし、矛盾で満ちています。にも関わらずきみはそこに、何か美しいもの、正しいものを見いだしたいと思う。そのためには、きみは痛みに満ちた現実の世界をくぐり抜けなくてはなりません。その痛みを我が身にひりひりと引き受けなくてはなりません。そこから感受性が生まれます。』
村上さんの言う「痛みや矛盾に満ちたこの世界」の中で、美しいものや正しいものを見出そうとするあなたの未来は、これから来るものではなく、すでにあなたの中にあるものなのかもしれません。戦うべきは、自分自身。
メリークリスマス。皆さんにも僕にも、ほっこり温かい時間が訪れますように。