頭の良い者が生き残るのではない

 

 スタジオの中のこと、特にイメージ的にマイナスなことを公にするのは気が引けます。でも、比較対象として興味深いエピソードがあったので、たまらず書いてしまいました。

 

 

 以前から、スタジオのスタッフに「デジタル機材のオペレーション(デジタルテック)についての勉強会をやるから、興味ある人は参加して!」と言うと、ほとんどのスタッフが「あ、いいですねー。そーゆーの出たかったんですよ~。」と言います。

 

 でも、その当日、本当に参加する人はほとんどいません。みんなに理由を聞くと、「いや~、ちょっと用事が入っちゃってー」なんてことを言います。

 

 結局、今のスタジオに、デジタルオペレーションを責任もって出来るスタッフは一人いるかいないかです。ほとんどのスタッフがそこまでは望んでいないのが、このスタジオの現状なのです。

 

 

 

 

 確かにスタジオスタッフとして仕事をしている限り、デジタルテック(デジタルオペレーションやレタッチ等)の責任を負わされる場面はほとんどありません。

 

 「やり方はわかります。でも、他人の機材使って現場のプロの方々をイライラさせることなくスマートにやれって言われたら自信ないです。」と言っていれば、誰か出来る人がやってくれるので、逃げ続けることは簡単です。

 

 ただし、スタジオ勤務後、フォトグラファーのアシスタントになるのなら、デジタルテックは当然のように求められる技術です。増してやフォトグラファーは、アシスタントがスタジオ経験〇年と聞けばそれが出来て当たり前と考えます。

 

 

 

 

 ところで、4月1日にスタジオで開催する『映像制作講座』でも、スタッフは「これ、いいですね!出たいです。」と口をそろえていました。でも、そんなスタッフが誰一人予約をしない中、誰よりも早くご予約を入れてきた方は、僕より年上の現役大御所フォトグラファーご本人でした。

 

 進化論のダーウィンの有名な言葉に「頭の良い者が生き残るのではない。変化するものが生き残るのだ。」というものがあります。僕は、まさしくこれだと思いました。

 

 大御所が未だ現役たる所以は、昔の成功にあぐらをかくことなく、常にアンテナを張り、新しい流れを吸収する姿勢があるからこそだと思うのです。そして、一瞬の躊躇もすることなく行動に出ます。

 

 

 

 

 あぐらをかく程の成功すらしていないのに、やれない理由ばかりが次から次へと湧いてくる。僕は、いつまでも行動を起こさないスタッフの行く末が本気で心配です。

 

 そんなスタッフに限って、自分が上手くいかないのは、上司やスタジオや業界や時代が悪いからと言うから不思議です。そんな他力本願的な考えだからダメなのにね。

 

 

 

 お後が全然よろしくありません。でも、これが塩っぱい現実です。