今まで生きてきて、なんとな~く「これはやってはいけないこと」って頭で理解しているつもりだったんだけど、まんまとしくじってしまって、「ヤバい、自分」となった経験ってありますか?
僕は若い頃、しょっちゅうそんな失敗をやらかしていました。オッサンと呼ばれる年齢になってからはさすがに少なくなりましたが。
例えば、車を運転するのに、「ぶつけてはいけない」ってことはわかっているはずなのに、こすってしまったとか。
遅刻をしてはいけない、遅刻したら「ヤバい」ってわかっていたのに、目が覚めたら終わってたとか。
事前に散々注意されていて、自分でも気を付けようと心がけていたはずなのに、まんまとやってしまったとか。
感覚的には、自分がそこに居るのは確かなんだけど、そこにいないような感覚。または、素の自分は透明なベールに覆われていて、現実に起きていることはすべて、そのベールの外で起きているような感覚。
僕だけの感覚なのかわからなかったので、「こういう感覚ってない?」とスタッフのJに聞いてみたところ、「あります!あります!」と激しく同意していました。少なくとも僕だけの特別な感覚ではなかったようです。
実はこれって、「当事者意識の欠如」って言われるやつです。でも、つい先日まで学生だったような若い方にそんなことを言ったって、それこそ知識として理解はしているけど正直何のことだかよくわからない状態となるのは当然です。
ところで、スタジオの近所にレンタカー屋さんがあります。僕もたまに利用するので、何度かその店舗にお邪魔したことがあります。
そこの壁には「無事故連続記録日数」と書かれた紙が貼ってあり、二けたの数字を張り替えて99日までを任意に表示できるようになっています。僕がこれまで見た中での最高無事故日数は「7日」、いつもは「0日」から「3日」くらいです。
レンタカーを借りる人って初心者が多いとはいえ、どんだけ運転が下手なのかと思います。でも、レンタカー屋さんに聞けば幸い事故のほとんどがこすったり軽くぶつかったりする程度のものなのだそうです。
ということは「下手」というより、「不注意」による事故が多いのでしょう。もちろん、レンタカー屋さんがお客さんに「ちゃんと注意して運転してください。」と言うわけにはいきませんが。
たぶん、レンタカーを借りてぶつけてしまう方も、自分が買った車なら、ぶつけないんだろうな~と思います。これこそ、まさしく「当事者意識」の違いです。
これを仕事に置き換えてみます。当事者意識の欠如により、自分が何かをやらかしてしまって、周りに迷惑を掛けてしまっては、自分の評価が下がってしまい、来たかもしれないチャンスが自分の知らないところで遠のいていってしまいます。
そんなことなら、早いとこ当事者意識を身につけてしまったほうが断然お得ではないでしょうか。価格.comよろしく、極力安い買い物をする感覚で、極力気持ちのエネルギーをケチった仕事のしかたをしていた人で、その後うまくいった人を僕は見たことがありません。
誰かこのことを若い頃の僕に言ってくれる人がいたら、僕はもう少し良い人生を歩めていたのかもしれません。もっとも、本当のところは、たぶん当時の僕に助言してくれていた人は何人もいて、心配してくれていた人も大勢いて、でもそれに僕はまったく気づかなかったというのが真実です。きっと。
自業自得。悔いはありません。
記憶もありませんし。お後だけがよろしいようです。