ホスピタリティ

 

 スタッフのMさんからブログのネタに「ホスピタリティについてはどうですか?」と言われました。Mさんったら、僕が昭和だから「ホスピタリティ」が何だかわからないと思ったのでしょう。わかっていますよ、「サービス精神」のことでしょ。と、思っていたら違いました。

 

 

 ホスピタリティの語源はラテン語のhospics(もてなし・いたわり)。それに対し、サービスの語源はラテン語のservus(奴隷・召使い)からきたものなのだそうです。昭和のころ、「お客様は神様です」ってフレーズが流行っていましたが、サービス提供者は奴隷だったんですね。

 

 

 ところで、そのホスピタリティですが、最近スタジオをご利用のお客様から「外苑(スタジオ)のホスピタリティがいい」とお褒め頂くことが増えました。現場のみんなの努力が正しく評価されていることは、マネージャーの僕としても嬉しい限りです。

 

 スタッフのみんなはこれに慢心することなく、もっと多くのお客様にご満足頂けるよう、今のハートを高めていって欲しいです。「外苑がいいって聞いてきたけれど、大したことないな。」って言われないように。やがて、みんながスタジオを出て、どなたかのアシスタントになろうとした時、「あー、あの外苑スタジオの人ならしっかりしているから間違いないね。」と言って頂けるでしょうから。

 

 

 ただし、そのアドバンテージはアシスタント採用時だけに過ぎないってことを忘れてはいけません。その後は、個々人のアシスタントワーク次第となるのですから。そして、やがては個人の写真のクオリティ次第となるのですから。

 

 そのためには、スタジオのみんなはこのホスピタリティを今以上に高めつつ、一人ひとりのスキルや経験値、人間性や精神性を高めていかなくてはいけません。焦ったところで良い結果は得られませんが、ぬるま湯の中で来るべき将来を後延ばしにしていてはダメです。スタジオはフォトグラファーを目指す限り、5年も10年も居る場所ではありませんから。

 

 

 今、世間を騒がせているアメフト選手のタックルの問題。僕はマネージャーとして、チームのマネージメントの観点からニュースを見てしまいます。思うのは、選手やコーチ・監督の個人的な資質の問題として語られがちな今回の件ですが、一番大きな問題は「スポーツ」という学生時代の純粋な取り組み以上に、「学校の宣伝」という大人たちの事情が優先され続けていることです。その意味で選手はただの宣伝のためのコマに過ぎず、そこにはいたわり(ホスピタリティ)のかけらもない。

 

 正直申し上げて、大人たちの事情で若い人たちの人生をもてあそぶなんてことはこの世の中ありふれたことです。もっとも、企てた側でそれを認める人は少ないと思いますが。でも、僕のいるスタジオだって、「フォトグラファーになろうとする人を応援している」と謳っている以上、同業他社さんのどこよりも多くのフォトグラファーを輩出しなくてはウソになってしまいます。「結局、人集めのための放言なんでしょ。」と言われても返す言葉がないんじゃ、カッコ悪くて仕方ありません。

 

 

 だからスタッフは、ホスピタリティもいいけどそこで満足せず、もっともっと自分を磨け。