スタジオの近所に美味しいちゃんこ鍋屋さんがあります。そこの大将は、元お相撲さんで部屋のちゃんこ番でした。所属は宮城野部屋、横綱白鵬がいる部屋です。
先日、お店にお邪魔した時に、お店の片隅に飾られていた大将と白鵬関のツーショット写真を見つけ、僕の中の相撲好きの血が湧きたちました。僕は他のお客さんが帰られた後、大将を独り占めできる状況の中で、山ほどある質問を大将にぶつけました。(ご一緒したAさん、ごめんなさい。)
そして、その中でも、この日一番のスッキリ「なるほど!そうだったのねー!」は、これでした。
僕:『白鵬をはじめ、何でモンゴルの人たちばかりが強くて、日本人力士はなかなかそこに並べないんですか?』
大将:『向こう(モンゴル)の人と、日本人とは「勝つ」ことに対する考え方が違うんです。彼ら(モンゴルの力士)は、「勝つこと」にこだわっているんです。日本人はみんな「勝ち方」にこだわるというか。』
『彼らにしてみれば、競技なんだからルールの範囲内で勝てばいいと考えているんです。でも、日本では、格下の力士には認められるけど、横綱がやるとみんなからバッシングを受ける技とかがありますよね。それが彼らには…』
なるほど!なるほど!そーだったのねー! 確かに、勝ちに品位や品格を要求するのは、世界の中でも日本だけのような気がします。
言われてみれば、昔から日本人にとっての戦いは生と死を賭けたものですら、正々堂々と戦うべきこととされてきました。だから、鎌倉時代に中国大陸からの襲来に対し「やーやー我こそはー」と名乗っているうちに攻撃され、戦い自体はコテンパンにされてしまったのです。神風が吹いたので忘れちゃいがちですが。
僕はサッカーに関してはまったくの素人です。その僕の目ですら、Cロナウドはゴールを奪うことだけでなく、相手のファウルを誘いペナルティーキックを取ることも超一流に映ります。
日本人のサッカー選手が言う言葉で以前から気になることがあります。インタビューなどに答えるときに「泥臭くてもいいから勝ちにいきたい」という言葉をよく耳にするのです。それって、裏を返すと「本来ならばクリーンにスマートに戦うべき」という考えがあるから、わざわざ「泥臭い」宣言をしなければならないのではないでしょうか。
泥臭かろうが、汚かろうが、勝ちゃあ何でもいいです。ルールで許される最大許容範囲スレスレのところで、思いっ切りがんばれ!日本!!