Sくんのお母さんへ

 

 こんにちは。Sくんがお勤めのスタジオマネージャー田辺といいます。

Sくんから、いつもこの拙いブログをお読みくださっているとお聞きしました。ありがとうございます。

 

 

スタジオでのSくんは、いつも頼もしいほどに頑張ってくれています。私は、彼に近い将来このスタジオを背負って立ってくれることを期待すると共に、やがてはフォトグラファーとしてしっかりと生計を立てられる人になれるべく、出来る限りの応援をしていくつもりです。

 

 

 Sくんは今どき珍しく、しっかりとした自分を持った方です。もちろん、まだまだ発展途上ではありますが、私は彼がこのままブレることなく日々の好奇心を大切にし、常に現状に安住することなく成長のための負荷を自分自身にかけ続けていけば、必ず良い結果を勝ち得る側の人間になるだろうと確信しています。

 

 

 現役の若いスタッフには理解しにくいことだと思うのですが、フォトグラファーに必要な要素や考え方の中で、スタジオで学ぶことのできる事はわずか5%~20%に過ぎません。従って、スタジオで一人前になった程度の自分に満足するような器の小さな人では、その先この業界でやっていくのは難しいと言わざるを得ないのが現実です。

 

 

 しかし、ご存知の通り、真面目で素直な若い人たちが、ただただ目の前のことに夢中になってしまうのはいつの時代も同じです。そこで私のスタジオでは、アシスタントとして一人前になるために必要なスキルや知識・経験値とは別に、もっと大局的で大切なものがあることをSくんはじめスタッフ全員に事あるごとに周知し、その存在への気付きを促すようにしています。

 

 

 具体的にいえば、自分がそれまで気付いていなかった視点や価値観に気付いた瞬間、それまでの自分がちっぽけで情けなくて恥ずかしい存在に思えてしまうその気持ちを素直に受け止め、正面突破でそれを乗り越える強い人間性を持つということです。

 

 

 小難しい言葉で言えば、心理学における自己防衛機制によってその場をやり過ごすのではなく、創造的破壊によって自己の成長を遂げられるパーソナリティーをこのスタジオで習慣化していってもらいたいのです。

 

 

 その結果、スタジオ後もさらに会得していくべきフォトグラファーに必要な要素、その残りの80%~95%を確実に自分のものとして、理想を実現して頂きたいと願っています。

 

フォトグラファーは、一般の仕事と比べれば色々な意味で大変な職業であるかもしれません。それでも、実現するだけの価値は大いにあります。

 

 

 カッコ良くて、頼りがいがあって、しっかりお金も稼げて、お母さん想いの息子さん。この四つの条件全てを満たすまで、今しばらくお待ちください。

 

 

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 追伸:お母さんご指摘の通り、最近のこのブログの更新が滞りがちなのは、ネタ切れが原因です。何かネタがございましたら、遠慮なくご提案頂けますと幸いです(笑)