若い方って僕のようなおっさんと違い、目の前にはいろいろな可能性が広がっています。でも、若さゆえに、その方向性は繊細な理由でいとも簡単にブレがちです。
「スタジオの仕事が忙し過ぎて…」とか。
「毎日、プロの撮影を見ているし、自分で撮ることだけが全てではないと思うから…」とか。
もっともらしい言い訳をして撮ることから遠ざかっていれば、やがて、写真自体から離れていくことは語るまでもありません。
そこで、僕のいるスタジオでは10年ほど前から、月に二度スタッフに自分の作品を提出してもらうようにしました。写真が上達するには、何はともあれ撮らなきゃ始まらないから作品の提出を義務付けて無理やりにでも撮らせようとの思いからスタートしたものです。
撮るからには不特定多数の方々に見ていただこうとゆうことで、このサイト「外苑スタジオ・マガジン」ができました。その後、みんなの作品を日替わりでアップするようになり、フェイスブック(FB)、インスタと公開するチャンネルを広げてきました。
今では、スタジオスタッフは全員自分のホームページ(HP)を作らなければなりません。このサイトやFB、インスタにアップした作品を閲覧した人が、そのスタッフ個人のHPに飛べるようにして、スタッフはその閲覧者の数によって自分の作品の反響を測れるようにしたからです。
スタッフはその反響が大きければ、スタジオ後フォトグラファーとしてやっていくことに賭けてみる価値を見出せます。逆に反響が芳しくなければ、スタジオ後はアシスタントにつくことで今の自分にはないものを学び身につけるという選択肢が現実味を帯びます。師匠の教えを受けるために、まずは師匠に有り難がられる存在になるべく、アシスタントスキルの向上に励むのです。
先日は、新たな試みもスタートしました。フェイスブックにアップしたスタッフの作品のうち、「いいね!」が一番多かったスタッフPさんの作品の投稿をフェイスブック上で宣伝してみたのです。
最近、めっきりアクティブな利用者の少なくなっているフェイスブックです。ここ数年は日本だけの傾向でしたが、情報流出問題などにより海外でも利用者は頭打ちになっているそうです。
それでも、結果は大成功。彼女の作品は広告開始からこれまで769名の方の目に止まり(写真をクリック)、136名の方がPさんのHPを見にきてくれています(2018年10月23日8時現在)。スタジオでは、これからも月に2回、福利厚生費でスタッフの作品を宣伝していくことに決めました。
スタジオの営業宣伝のためではなく、スタッフ個人の作品やHPをお金を出してまでして常に宣伝し続けるスタジオなんて、日本でもこの僕のいるスタジオくらいじゃないかと思います。
これって、おせハラ?
おせハラ。
お節介ハラスメント。
って、どんだけ恵まれているんだよ、ここのスタッフ。こりゃ、誰一人残らずカメラマンになるしかないわな。よろ。