セルフポートレートだからみんなで「セルポ」と呼んでいます。僕のいるスタジオでは、ずいぶん前からその日スタジオを担当するスタッフの名前と顔写真をそのスタジオ内に貼っています。
お客様からは誰が「スタジオマン」なのかすぐわかるし、スタッフだって本当は「スタジオさん」と呼ばれるより、自分の名前で呼んでもらったほうが俄然やる気が出るってもんですから。
この、お客様にも、働くスタッフにも良い事づくめの「セルポ」、僕は長い間同業者さんも当然やっているものだと思っていました。でも、実際には、他社さんでスタッフの写真や名前をお客様の目のつくところに貼っているスタジオは多くはないそうです。僕が知っているのも、貼っているのは外苑スタジオとG社くらい。
たしかに、「セルポ」によってスタッフの名前と顔が一致しやすいからか、スタッフは会社(スタジオ)に内緒で直接ロケアシのバイトに行ったりしています。ある日、突然、「カメラマンの○○さんのアシスタントにつくことにしたので辞めます」と言ってきたりします。
経営の安定を考えれば「セルポ」を貼らないのが得策。それが賢明な判断であることは間違いありません。
ただ、僕のいるスタジオは、ここ出身のカメラマンの多さを自慢にしているスタジオです。リクルートでもそれを大いにウリにしています。だから、このスタジオに限っては、スタッフとこの業界のお客様とのつながりを阻止するわけにはいきません。
スタッフ自身だって積極的に多くのお客様とつながって、プロの「楽しさ」も「厳しさ」も学んだほうが人として成長するはずですし。
これまでずーっと、そう信じてやってきました。それが「セルポ1.0」。
で、この度そのセルポを「2.0」にバージョンアップしたのです。
これまでの「セルポ」は名前と顔写真だけでした。新バージョンの「セルポ2.0【ドラセル】」にはスタッフのプロフィールも載せています。それをネタにスタッフとお客様との会話がもっと広がればいいなーとの期待を乗せて。
ここまでお膳立てされてるんだから、このスタジオのスタッフに限ってはみんなカメラマンにならなきゃだわな。